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伝統織物でカンボジアの復興を願う [海外で奮闘する日本人]

森本喜久男氏(IKKTクメール伝統織物研究所)

カンボジア7.jpg

内藤カメラマンHPより 

カンボジアでの被写体をお伝えしたい。
現地でカンボジア織物を復興させていくことで、内戦で荒れた大地を、そして暮らしを復興させていこうと試みる森本喜久男さんの活動を撮影取材しにいく。
       カンボジア3.jpg

ここの最大の特徴は、内戦で失われかけた織物の技術をカンボジアの人々と二人三脚で復興し、彼らの生活基盤を作る、そして伝統を継承していくこと。
先進国の論理の上での支援という形も見受けられる今の国際援助のなかで、彼の活動は地元の人々の誇りや技術を育てることによっての復興、じつに彼らカンボジアの人々に寄り添った活動がされている・・・ここは継続的な国際援助・国際貢献の形としてのヒントが沢山あると感じる活動なのである。

そこでどんな活動が? どんな人々の営みが? を写真でやさしく捉えられればと思う。
ここもスーダン同様に、ぼくら日本人が失いつつある、失ってしまった大切なものがあるような気がしています。

 

カンボジアに入って一週間が経過し、森本喜久男氏の「伝統の森」での撮影が一段落した。
素晴らしい取り組みの素晴らしい環境づくり、笑顔の子どもたち、母と子が働く環境の中に一緒にいる、そして男たちは環境を作る。
そして何より森本氏の織物に対する情熱と確かな目、京都友禅職人からタイやカンボジアでの織物の徹底した調査の25年にも及ぶ経験と深い知恵・・・そしてカンボジア織物の復興のみならず、カンボジアの人たちと溶けあって大いなる自然環境を作っていることに感動をした。


機織りだけでなく原材料となる桑の木の植樹、自然染料の元となる藍畑やあらゆる植物も育てている。ここでは化学染料は使わない。機織り機の重要なポイントとなる竹筬(たけおさ)の竹も植林、学校もある、機織り機や工房、家を造る職人も電気、水道配管の技師もいる。


農業・建築・自然環境づくり・学校、そして織姫たち・・・すべてが誇りある一枚のカンボジア絹絣に向かって力を合わせている。
少しでもずれていくと森本氏の確かな目の判断が入る。
村人が本当に幸せそうな顔をしている。やはりここにも僕たち日本人が忘れかけている、失ってしまいかけている大切な心があった。それらを丁寧に伝えていきたいと改めて強く思う。


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